看護大学の教員で勤めてみたいけど、一体どんな仕事をするのだろうと興味がある人もいるかと思います。大学に通っていても、教員の仕事内容についてはベールに包まれており何をしているのかわかりにくいところもありますよね。そこで、今回は看護大学での仕事、助教編として、ぼくの体験や周りの先生方を元にお話しをしていきます。
助教の職位
大学には職位があり、もちろん教授が一番上になります。次に准教授、講師、助教、助手という順番になっています。だいたいの大学はこのような職位で構成されていると思います。
助手からスタートする人もいれば、助教からスタートする人もいます。いきなり准教授とか教授になる人もいますが、看護のような実践重視の領域である場合は、病院の看護部長などをした人は教授で大学に入職したりします。あとは、天下りでどっかの偉いさんが特任教授という形で入職してきたりします。
だいたいの人は、助手か助教からになりますね。
では、助手と助教の違いって何だろう?と思った人もいますよね。これも大学ごとで基準が違ってくるとは思いますが、ほとんどの看護大学では、助手は学士でもなれます。助教は修士が必要になるという違いがあります。つまりは、研究の方法について学んでいるのか、研究の実績があるのかというところで判断されます。
助手で働きながら、大学院に通ったり、研究をして実績を作ったりするという道のりもあります。
助手と助教では、大きく違うところがもう一つあって、助教になると大学で授業を担当することができるようになります。教壇に立って、講義や演習を単独で実施することができるんですね。責任は重いかもしれないですが、やりがいについては全然違うと思います。
助教の仕事
それでは、助教の実際の仕事内容です。大学教員の役割として「教育」「大学運営」「社会貢献」「研究」といったことがあります。それぞれを、上の先生方と協力しながら、または1人で行ったりしていきます。
具体的な仕事内容としては、まず教育が挙げられます。学生さんたちに対して、授業で講義をしたり、演習に入って指導をしたりします。それとは他に、大学で決められた時間に学生さんへ勉強会を開いたり、サークル活動の顧問をしたりもします。
他にも担任制の大学だったら担任や副担任を、学生担当制の大学だったら、担当学生の指導や支援をしていきます。学習態度の悪い学生がいたりするとけっこう時間や労力が必要になります。しかし、その分その学生の成長が見られた時の嬉しさはとても大きいですね。
そして、助教のメインといえば実習指導でしょう。臨地実習に学生さんを引率し、病院や医療現場での教育を行います。実習では、病院さんとの関係作りも仕事です。指導者さんや婦長さんとの連携が取れるように調整を行ったり、看護部長や教育担当とも調整や依頼などを行ったりします。
大きな実習調整については、教授が行いますが、その場での対応などはその場の教員に任されることがあります。
患者さんへの援助に学生さんと一緒に入ったりもしますね。清潔の援助や環境整備、バイタルサイン測定などにも一緒について行ったりします。
次に大学運営についてです。大学内には委員会やワーキングといった教員それぞれの役割担当が振り分けられます。委員会については、講師以上からというところもあるみたいですが、助教も委員会に入ることもあります。委員会には入試委員会やリスクマネジメント委員会、研究推進委員会、学生教育委員会などがあります。
それぞれの委員会で会議に参加したり、そこで決まったことを遂行していったりします。ワーキングも名前が違えど、委員会のようなものですね。
そして、大変なのが国家試験対策委員です。1~4年生でそれぞれ担当に分かれ、各学年での対策を考えて遂行していきます。予算なども見直しをしたり、模擬試験の調整や依頼もしていきます。4年生担当になると、100%合格を求められるのでその負担も大きいです。助教でも専門学校で経験のある先生は、4年生のメイン担当を任されたりします。
あとは、オープンキャンパス委員などもあります。
社会貢献については、自分で外で社会貢献につながることはないか探してきたりします。地域での講演活動であったり、ボランティア活動、看護師の資格を活かして看護活動を行ったりします。大学内で行われている社会活動があれば、そこに参加することでも社会貢献につながります。地域や病院での講演活動であったり、セミナー講師についてはどんどん実施することで、自分の実績にもなりますし、講演料などももらえるようになったりします。
最後に研究についてです。大学の教員は研究も仕事の一つになります。そのため、年に1本以上の論文投稿が必須ではないでしょうか。科研費を取ったりすることも大事で、入職してすぐでしたら、研究活動スタート支援というものに応募もできます。一人でする研究もいいですし、領域内で行う研究でもいいと思います。
これからも、大学でがんばっていきたいと思う方は、どんどん研究をして科研費にチャレンジするのもいいと思います。
まとめ
看護大学での助教の仕事について、述べていきました。これだけじゃなくて、まだまだあるよって方もおられるかとは思います。他にも追加したほうがいいことなどが見つかれば、都度都度で追記していきます。
けっこう大変な仕事量ではありますが、やりがいは十分にあると思います。たくさんの研究をおこなって自分の職位を上げることも大切ではあるとは思いますが、看護大学での教育に携わっている以上は、教育に力を注いでいただきたいなーって思います。基礎の担当だけにそう思ってしまうのかもしれませんが…。
それぞれが、ご自身のやり方でがんばっていってもらうのが一番ですね。
キャリアアップの一つとして、看護大学教員にもよかったらチャレンジしてみてくださいね。