今回の超初級は胆道系です。
胆道系ってマイナーな感じで、なかなか理解しにくいところもあるかとは思います。
一気に理解しようとすると大変ですので、まず苦手意識を克服できるように一歩ずつやっていきましょう。
胆道系とは
胆道とは、肝臓から生成された胆汁を排出する経路のことです。肝臓内の毛細胆管から十二指腸に接続するファーター乳頭までをいいます。
胆のうは、胆のう管で総胆管に繋がっており、胆のう排泄の調整を行っています。胆のうも胆道系のひとつになります。
胆道の代表的な名前を知ろう
肝臓から生成された胆汁は、毛細胆管から左右の肝管(肝内胆管)を通って総肝管に流入します。
一部の胆汁は、総肝管から胆のう管を通って胆のうに貯蔵されます。
残りの胆汁は、総肝管から総胆管を通って、ファーター乳頭を経由して十二指腸に流入されます。
ここまでで、いくつかの名前が出てきましたね。
順番に見ていきましょう。
胆道系の名前
①左右の肝管
②総肝管
③胆のう管
④胆のう
⑤総胆管
⑥ファーター乳頭
胆汁の通り道は、この順番で覚えてもらえたらと思います。
肝臓スタートで、すべての管が交わっているところに「総」とつきます。
木で例えると…
幹の部分に「総」とついて、枝の部分が「菅」ですね。
胆のうへの枝なので、胆のう管と呼ばれています。
それぞれの役割
胆汁
胆汁には胆汁酸が含まれています。
胆汁酸の作用により、口から摂取された脂質を乳化(ミセル化)し、消化吸収しやすくします。
胆のう
胆のうは胆汁の貯蔵と濃縮を行います。
コレシストキニン(ホルモン)によって収縮し、貯蔵していた胆汁を排出します。
ファーター乳頭
ファーター乳頭は、大十二指腸乳頭とも呼ばれます。
総胆管と十二指腸の接続部分のことです。
ファーター乳頭には、オッディ括約筋という筋肉があります。
オッディ括約筋によって胆道と十二指腸の開口部が閉じたり、開いたりします。
オッディ括約筋を弛緩・収縮させることで、十二指腸に流入する胆汁の量を調整しています。
胆汁排出の機序
- 肝臓で胆汁が作られて、胆のうで貯蔵・濃縮されます。
- 十二指腸に脂質の多い食べ物が入ってくると、コレシストキニンというホルモンが十二指腸から分泌されます。
- コレシストキニンの作用によって、胆のうが収縮され胆汁が排出されます。
- また、コレシストキニンの作用によって、ファーター乳頭にあるオッディ括約筋が弛緩されて胆道と十二指腸の扉が開きます。
- 胆汁が十二指腸に排出されます。
- 小腸で、脂肪を乳化させて消化・吸収を助けます。
まとめ
胆道系はマイナーなところもあり、国家試験でも必ず出題されるといったところでもありません。
ただ、栄養の消化吸収であったり、排泄であったりに大きく関わる部分ですので、ある程度の理科は必須かなって思います。
解剖を知っておくことで、疾患や治療にも理解がグググって深まると思います。
少しずつでいいので、学習をしていきましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。
今回の参考文献です。