看護学生のみなさんは国家試験対策の学習を進られていますでしょうか。
コツコツ持続して学習していくことが大切ですよね。
先日、看護学生さんからこんな質問がありました!
僧帽弁狭窄症でⅠ音の亢進って、なんで亢進するのですか?、Ⅱ音のすぐ後に開放音があるのはなぜですか?
循環器出身ではないので、すぐには即答できず…。
説明できるようにしてくるからちょっとだけ時間をくださいと学生さんに伝え、必死に本で学習をしました。
心臓についてはこちらを参考にしてください。https://tumulabo.link/tyousyokyusinzou/
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僧帽弁狭窄症と僧帽弁閉鎖不全症の違い
まず、僧帽弁の位置の確認です。
恥ずかしながら、僧帽弁と三尖弁をいっつもどっちだったか覚えられていませんでした。
覚えたと思ったら、3日後には忘れ…。っというのを繰り返していました。
そのため、僧帽弁の位置確認から開始です。
左房と左室の間!
今回、自分で心臓のイメージ図を書いて、自分が理解できるように何回も何回も本を読みました。
図に線をいれたり、矢印をつけてみたりしました。
おかげさまで、もう2度と忘れません。
僧帽弁は左!
次に、狭窄症と閉鎖不全症の違いから学習します。
ネットで調べたり、本で読んでみたりしました。
その結果、
狭窄症は弁が閉まるけど、開きが悪い。
閉鎖不全症は弁が開くけど、閉まりが悪い。
という、内容で理解しました。
こんな感じのイメージで十分でしょう。(僕の中では…)
僧帽弁狭窄症でなぜⅠ音が亢進するのか
Ⅰ音は、僧帽弁と三尖弁が閉まるときに聞こえる音です。
ですので、収縮期になります。
ドックンの「ドッ」の時ですね。
なぜこの時に亢進した音がなるのか…。
結論から言うと、弁の弁尖が肥厚したり固くなっているから。
というのが、理由であると理解しました。
ぼくの中でこの結論に至るまで、なんかすごい時間がかかりました。
心房と心室の弁の開きが悪いので、心房からの血液がスムーズに心室へと行くことができません。
そのため、心房内に血液が溜まってきます。
心房に血液が溜まってしまうので、肺静脈や肺での血液も滞ってしまいます。
肺うっ血を起こしてしまう原因にもなりますね。
そこで、心房は血液が溜まっているのに拍出しようとしますが、うまく拍出できずに震えてしまいます(心房細動→血栓となります)
では、Ⅰ音の亢進がなぜ起こるのかを心雑音の方から調べました。
一つはさっきの結論で出した、僧帽弁の厚さや固さの影響。
ほかの原因として、房室圧と心室圧の関係がありました。
房室弁が開いているときに、なんらかの影響で、心室の収縮が始まってしまうと、心室の圧が心房の圧より高くなってしまいます。
そうなると、房室弁が開いているので、心室の圧力に開いている弁が押されて、バタン!と勢いよく閉じます。
それがⅠ音の亢進の音になります。
ここで、僕は考えます。
なぜ、房室弁が開いている時に心室の収縮が始まるのか…。
僧帽弁狭窄症では、心房がうまく拍出できずに心房細動となると上記で書きました。
つまり、心房細動が上室性頻拍みたいになって、心室に刺激を伝導させてしまった結果、心室の収縮が弁が閉じるより早く収縮が開始してしまうのではないかと。
しかし、僧帽弁狭窄症の方から調べると、Ⅰ音の亢進の原因にそのようなことは書かれてません。
うーん。
そうなると、やっぱりこれは弁の影響だなっと。弁の影響の方は、僧帽弁狭窄症の方にも載っていたので。
ということで、ぼくは結論を出しました。
Ⅱ音のあとの開放音はなぜおこるのか
それでは、次に質問された、開放音についてです。
これもぼくが出した結論からいうと、弁が肥厚して固くなっているから。
という、結論に達しました。
これも心房と心室の圧の関係があるとの文献もあります。
今度は拡張期に房室圧が心室圧より高くなり、その勢いで房室弁が開いてしまうことでパチーンと音がなるとのことです。
ただ、僧帽弁狭窄症の方から調べると、弁の影響のことが書いてありました。
また悩みましたが、やっぱり、弁の肥厚や固さの影響ではないのかという結論にしました。
まとめ
今回の結論は両方とも、弁の影響、というところでまとめました。
難しいところですが、弁の影響だけではなくて、圧の差というところもあるのかとは思います。
ただ、今回は国家試験対策での解答を求められたので、わかりやすく単純なほうで学生さんにも説明しました。(学生さんにも一応は心房と心室の圧の差の影響も説明しています)
ここに辿りつくのに本当に色々な本を調べてたり、ネットを見たりしました。
なぜそうなるのかというところを、もっと追及できるようにしたいと思いました。
ただ、僧帽弁狭窄症について、自分で調べて学習してみて、理解が深まったことはよかったなって思います。
疾患について、学んで理解できて、これが勉強の楽しさだなって改めて感じました。