看護大学や看護専門学校で教員をしている先生方。授業って本当に悩みますよね。
ぼくは今、薬物療法の授業をしています。薬物療法は与薬の技術が主になるので、どうしてもイメージをつけたいと動画を活用することが多くなってしまって。
看護師になって病棟で働いていると、内服だけじゃない与薬をしますよね。で、ぼくは吸入とか点鼻とか点鼻とか全然やり方を知らなくて困った覚えがあるんです。
看護師なので、知らないと言っていいのかもわからず、でも患者さんに嘘ついて適当にするわけにもいかない。恥を承知で薬剤師さんに聞いたという事がありました。
今の学生さん達には、そんな思いをしてほしくないなって思ったので、説明してから動画を見てもらうという方法をとりました。
ちなみに、今の大学では薬物療法の時間が3コマしかなくて、吸入や点鼻、座薬などを演習で体験させることもできない状況です。注射しかできないんです。
学生の間に少しでもイメージがついていたら、ぼくみたいに全くわからずに困ることもないかなって。
それで授業準備をし、いざ授業をしてみたのですが、学生さん達の反応が全然で。4分の1ぐらい寝てます。寝てるだけだったらいいのですが(よくないですけど)、雑談している人もいたみたい。ぼくは授業に必死でそこに気づけてなかったので、後で入ってくれた先生から聞きました。
なんか反応もないし、すごく大事な話をしているはずなのに、これはって…。
せっかく高いお金はらって授業を受けに来てくれているので、少しでも学生さんに役立ちそうなことを伝えたいと思い授業を考えるようにしてます。それでも反応がこんなに悪いと自分の授業内容に自信がなくなります。ぼくの授業ってそんなにおもしろくないですかって。
みんなが面白いと思える授業ってどんな授業でしょうか。イキイキとした表情、キラキラとした表情になるような授業ってどうしたらいいのかなって。
ある学生さんに尋ねました。今日の授業はどうだったのか学生の目線で正直に教えてほしいと。既卒の子で真面目で信頼のできる学生さんだったので何かヒントが見えるかもと思いました。
違う先生の授業のときは、色々と質問されたりビシッと言われるので気が抜けない。ぼくの場合は緩い雰囲気があるので、気が抜けてしまうとのことです。
確かにぼくはビシッと言うのはあまり得意ではありません。怒ったりするのも上手い方ではないんです。って、本当にそこだけが問題なのでしょうか?
今、少し間をあけて振り返ってみます。
ぼくが考えるポイントは、「後で入ってくれた先生が教えてくれた雑談している学生に気がついてない」ということだと考えました。
そうなんです。ぼくは学生達を見ていなかったのです。自分が伝えたいこと、時間通りに進行していくことにしか目がいってなかったのです。
授業は学生と教員との相互作用である。と、ぼくの恩師の先生から教えてもらいました。
ぼくの授業には、お互いがいい方向に向かうための作用が生まれてませんでした。
学生さんも授業に巻き込まれていないことを感覚的に気づいて、授業よりも誰かと話したり、眠ってしまったりしたのだと思いました。
看護を学ぼうと大学に来ている学生さんなのですから、授業に巻き込まれたらきっと面白くなってキラキラしてくるにちがいありません!
学生さんの目を見て話しましょう。考えてることを聞いてみましょう。思いを伝えてみましょう。
明日も授業をします。
学生さんを巻き込んでいきます。方法論も大切ですが、やっぱりそういう授業にしようって思う気持ちで臨むことが必要ですよね。
せっかく寝ずに準備した授業内容です。心を込めて学生さんに届けてみよう。