看護師国家試験を受験するみなさんに少しでも役に立ちそうなものを記事にしたいと考えましたー!
消化器系の疾患について術後のことや化学療法のことで覚えておいてほしいことをとにかく羅列していこうと思います。
大事なところ、落としてほしくないところに絞っていますので、よかったら参考にしてくださいね。
胃がん
胃の解剖
・胃は上が噴門、下が幽門。
幽門が狭窄すると胃の中のもんが下に流れない。逆流する。
・左上の膨らんだほうが胃底、噴門から胃角までを胃体、胃角から幽門までを前庭という。
・壁細胞から塩酸、主細胞からペプシノゲン、副細胞から粘液。
ペプシノゲンは塩酸によってペプシンになる。
・ペプシンはタンパク質の分解。
・G細胞からガストリンが分泌されて胃液の分泌促進。
胃がんの特徴
・胃がんの組織型としては、腺がんが多い。
男性に多く、ヘリコバクターピロリ菌も原因。
・左鎖骨上窩リンパ節への転移をウィルヒョウ
ダグラス窩(直腸ー膀胱窩、直腸―子宮窩)の転移をシュニ ッツラー
卵巣への転移をクルッケンベルグという。
・胃がんの症状としては、進行すると心窩部痛や食欲不振、貧血なども。
術前から栄養低い。
検査
・造影検査ではバリウムと発泡剤使う。
バリウムは便秘の原因となりやすい。(大腸内で固まってしまうおそれあり)
そのため、下剤の服用と便の観察が必要。
最初は白色の便でオッケイ。
次第に移行便(茶色と白の混ざった黄土色みたいな便)となり、ふつう便に戻る。
発泡剤のゲップ(噯気)はガマン。
・上部消化管内視鏡検査では、検査前日の夕食まで。それ以降は食べない。
・咽頭麻酔するから、検査後1から2時間ぐらいは絶飲食。
・胃カメラでは抗コリン薬を使用して、胃の蠕動を抑制させる。
そのため、緑内障や前立腺肥大などの有無を確認しておく。
手術療法
・手術は全摘ではルーY吻合(十二指腸と空腸の口側を一旦切り離して、残胃と持ち上げた空腸を吻合。吻合した空腸に切り離した空腸を再度つなげる。)
・合併症は出血(24時間以内)
縫合不全(3~7日ぐらい)吻合部狭窄やダンピング、貧血。
・貧血は退院後に起きやすい鉄欠乏性貧血(鉄分吸収に胃酸が必要)と、退院後数年後に起きやすい巨赤芽球性貧血(胃の壁細胞からでるキャッスル因子が、ビタミンB12の吸収に必要)のふたつ。
・一気に食べるとダンピング症候群を起こす。
ダンピング症候群には早期と晩期がある。
・早期ダンピングは、食後30分ほどでおこる。発汗、めまい、動機など。
・晩期ダンピングは、低血糖症状(冷や汗、動機、脱力など)
・急激に小腸内へ食べ物が流れ込む。
→ 浸透圧により体液が腸管に集まり、循環血液量が減る。
→ 急に高血糖になり、インスリンの分泌が促進されすぎて低血糖。
イレウス
機械的イレウス
・何らかの原因で腸管の通過障害(便、ガスが出ない)がおきている状態。
・機械的イレウスと機能的イレウスがある。
・機械的イレウスとは、腸は動くが何か物理的な影響で便が出て行かない。
血行障害の伴わない閉塞性(単純性)と血行障害が伴う絞約性(複雑性)
・閉塞性の原因は、開腹術後の癒着やガン、消化仕切れなかった食べ物など
・機械音(金属音、高音など)が聴取される。
・絞約性の原因は、腸捻転、腸重積、ヘルニア嵌頓などがある。
・絞約性の場合はすぐに手術。
腸管壊死から敗血症で重症となる。
機能的イレウス
・機能的イレウスは、腸の機能低下により便が出せない。
・麻痺性イレウスと痙攣性イレウスがある。
・麻痺性イレウス(運動麻痺によるもの)の原因は、
副作用に便秘がある薬(麻薬、抗コリン薬など)
全身麻酔後の術後イレウスなど
・脊髄損傷などによる蠕動運動の麻痺も麻痺性イレウス
・痙攣性イレウスは鉛中毒などで腸管が痙攣を起こしてなる。
イレウスの症状
・症状は腹痛、嘔吐など。
・治療は絞約性以外は保存的でみることが可能。
閉塞性の場合は、ガンの影響や癒着がひどい場合は手術。
・レントゲンでは二ボー像(鏡面像…立位にて撮影した際に、鏡のようにきれいに水平に空気と内容 物の断面がある。)の出現。
特殊なレントゲン像
・特殊なレントゲン像は、ほかにはニッシェ(胃潰瘍などで潰瘍部に造影剤が溜まって○の様に見えたり、出っ張りがみえたりする。)アップルコア(大腸がんによる大腸の閉塞。ガンで大腸が狭まっていてリンゴの芯みたいになっている)などが特異的なレントゲン像である。
大腸がん
大腸の解剖
・大腸は長さ1.5~2m
・血管支配
盲腸、上行、横行は上腸間膜動脈
下行、S状、直腸(S上部)は下腸間膜動脈
大腸がんについて
・大腸がんは、大腸にできたがん。
・レントゲンによるアップルコア。閉塞性イレウスの原因。
・症状は便潜血や下血。腸閉塞による吐き気、腹痛など。
・結腸、直腸にできる。腺がん。
ストーマ(人工肛門)
・直腸がんの場合ストーマ(人工肛門)が造設されることもある。
・ストーマサイトマーキング(術前にどこにストーマを作るかマークする)では、セルフケアができるよう座ってもらい、シミュレーションしながら行う。
・腹直筋を貫き、臍より下。
座ったときに自分で見えるとこ。ベルトの位置は避ける。
・直腸がんの場合は排尿障害の恐れがある。
下部直腸の左右には自律神経があり、それを切断することにより排尿障害、性機能障害がおこる
・術式
各結腸切除術、ハルトマン手術(肛門は温存しストーマを増設)
マイルズ手術=腹会陰式直腸切断術(肛門までとる永久ストーマ)
低位前方切除術、高位前方切除術(肛門を温存、直腸を切除し結腸と肛門をつなぐ)等
全身麻酔術後の看護
創部痛
・術直後は創痛緩和を優先的に。
・痛みがあったら薬を使ってでも緩和を目指し、離床の促しを。
・乱用による副作用に注意する。
・疼痛緩和の薬は、非ステロイド性消炎鎮痛剤(ロキソニン、ボルタレンなど)で代表的な副作用は、消化管潰瘍、出血、穿孔などの消化器症状
・非麻薬性鎮痛剤(スタドール、ペンタジンなど)
代表的な副作用は、乱用による中毒、呼吸困難、傾眠など
・麻薬性鎮痛剤(モルヒネ、フェンタニルなど)
代表的な副作用は、呼吸困難、便秘、傾眠など
早期離床
・早期離床の促し→寝っぱなしが一番よくない。
呼吸(無気肺)の悪化、消化管運動の低下、認知機能低下、筋力の低下
・しかし、出血が多い、血圧が低すぎていて不安定、縫合不全のおそれなどがある場合は離床は控えるべき。
・手術中の出血量は500mlを目安に。
500ml超えたら多い。輸血考える。
ドレーンとその他
・ドレーンからの排液について、基本は淡血性~淡々血性
1日で0~200ml程度
・よくない色→血性(出血)、膿性や混濁(縫合不全、感染疑い)、便汁様(縫合不全)、ワインレッド(膵液漏)、胆汁様黄金色(胆汁漏)
・量が1時間に100mlとかは、異常
・腹腔鏡下では、二酸化炭素で気腹(腹を膨らませる)し手術。
合併症に無気肺、肩痛、皮下気腫、高炭酸ガス血症など
抗がん剤治療の看護
・基本は多剤併用療法を行う。レジメンがある。
・分子標的薬はインフュージョンリアクションに注意(急性輸液反応)。
初回投与時に起こるアレルギー反応。発熱、頭痛、発疹、嘔吐、呼吸困難など。
・抗がん剤の主な副作用は、最初は吐き気。
・2~7日後ぐらいから食欲不振、倦怠感、口内炎、下痢など。
・1から2週間後で骨髄抑制による好中球減少(白血球減少)
・脱毛は2週間後ぐらいから。
・外来に通いながらの治療もある。
放射線療法の看護
・急性反応は、放射線宿酔(倦怠感、吐き気、頭痛、発熱など)と皮膚炎。
刺激与えない。
・皮膚炎に対しては、予防的に軟膏を塗布。
・マーキングを消さないように、清潔を保つ。
・遅発性反応は、照射臓器の機能低下として肺臓炎(肺炎)や脱毛。
おわりに
どうでしたでしょうか。
消化器系の疾患でとりあえず覚えておいてほしいことを羅列しました。
こういったところをしっかりと覚えて、点数アップに役立ていただけたらと思います!
国家試験対策は問題をたくさん解いたり、友達と問題を出し合ったりのアウトプットが大切です。覚えたことを定着させるために、どんどんアウトプットしていってくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
おすすめの国家試験対策本はこちらです!