看護学校で授業をさせてもらうときに、グループワークってよく使いますよね。
ぼくも専門学校で勤務しているときは、ほぼグループワークがメインでした。
病院で勤めるとカンファレンスが至るところで行われており、看護職だけじゃなくて患者さんやリハビリの先生、医師の先生なども含めた人たちに混ざって意見交換をしていきます。
そのため、看護学生の間からグループワークで自分の意見を言う練習や人の意見を聞くといった経験をたくさん積んでもらいたいと思っています。
グループワークをすると、他の人に任せっぱなしで何もしない学生が出てきます。
そうですよね。こういう学生をフリーライダーといいます。
みんなが話し合っている時に、寝ていたり、テスト勉強をしていたり・・・
発表する人、資料を作成する人もいつも同じメンバーになってきます。
これでは、みんなで学び合いのためのグループワークをしていても効果がありませんよね。
そういうお悩みの先生方にご提案です!
ジグソ―(ジグソー学習法)を取り入れてみませんか。
フリーライダーはいなくなり、発表も全員が実施できます。
本記事では
ジグソ―の方法
ジグソ―の効果
ジグソーの注意点
について、解説をしていきます。
ジグソ―の方法を知っておくだけでも、授業の幅がきっと拡がります!
ジグソ―の具体的な方法
ジグソ―とはジグソー学習法のことで、協同学習のひとつになります。
簡単に説明します。実施するにはグループワークを2回することになります。
- グループで話し合うテーマを与えます。
- テーマはグループの数だけ用意しましょう。
- テーマごとにグループを作ります。(テーマグループと名付けます)
- テーマについてグループワークをします。
- テーマについて話し合ったり資料を作成したりします。
- テーマグループをシャッフルして、学び合いグループに分けていきます。
- 各テーマグループから1人づつを集めて、学び合いグループを作っていきます。
- テーマグループの数が5つで、人数が4人グループだとします。
- そうすると、人数が5人で4つの学び合いグループができます。
- テーマで話し合った内容をほかのグループメンバー4人に伝えたり発表したりします。
- 学び合いグループでは、そのテーマについては自分しかいないので、自分が必ず伝えたり発表したりすることになります。
これらが、ジグソーの具体的な方法になります。
イメージできましたでしょうか?
ジグソーの効果
ジグソーの効果の一つに、フリーライダーがいなくなるというのはわかっていただいたかなって思います。
テーマの内容について、自分しか知らないので責任をもって学び合いグループのメンバーに伝えないといけません。テーマグループでサボっていると、学び合いグループになったときに説明ができなくなります。
そうなるとグループ全員に迷惑をかけることになるので、責任感というものが生まれてきます。
その責任感が主体的に学びに参加するといった行動につながっていきます。
実際に取り入れた授業は何回もやってみました。
学生からは評判がよくグループワークも活発になっていました。
看護技術の習得においてジグソーを活用した授業では、教師が中心の一方方向な授業の成果と比較した結果、ジグソーを取り入れた授業のほうが優越性を確認したとい報告もあります。
ジグソーを取り入れる際の注意点
ジグソーを実施するにあたり、いくつか注意点がありますので、説明していきます。
学生にも方法について理解してもらう必要がある。
普通のグループワークでの学習に比べると、ジグソーはやや複雑です。
そのため、学生さんにもワークの方法について理解をしてもらわないと、うまく学習として機能しません。
一人一人の責任が明確になっていることを理解してもらえるように、導入でしっかり方法を伝える必要があります。
何回か経験をさせることで、学生さんたちは進行の見通しを立てることができるようになりますので、こういった心配は軽減されます。
学生の能力によって学習にばらつきがでる。
テーマグループで話し合った内容を学び合いグループで発表をしてもらうのですが、学生さんによってはしっかりと理解しきれていない状態で、発表することになったりします。
そうなってしまうと、学び合いグループによっては
「Aというテーマについて???でした・・・」
で終わってしまうということになる可能性も出てきます。
これを防ぐために、しっかりと教員でフォローしていく必要があります。
テーマグループでのワーク状況を確認して、全員が共通理解できているのか、理解できていないところはどこなのか、資料の内容は適切であるのか、発表方法については統一されているのか等をチェックしていきましょう。
必要であれば、次の授業などで復習という形で、簡単に内容を説明してもいいかもしれませんね。
グループ人数がバラバラになってしまう。
20人でジグソーをします。
5テーマで4人ずつ配置をすると、学び合いグループになったときに4グループ5人ずつで割り振ることができます。
23人だったら?
5テーマで5人グループが3つ、4人グループが2つの配置とします。
すると、学び合いグループでは、4グループ5人ずつにすると3人余ってきます。
5グループ5人ずつにすると、1人足りないグループが2つ出てきます。
各テーマ数の人数で学び合いグループは構成されるので、学び合いグループの中に同じテーマが2人いると、せっかく責任感をもって学習に取り組めるようにしているのに、どっちかが発表するとなってしまい、効果が出てきません。
また、学び合いグループの人数が足りないと、テーマが抜けてしまい、そのテーマについて学習ができなくなってしまいます。
では、どうしたらいいのでしょうか…。
ひとつの案ですが、学び合いグループでのワークの内容によって、人数余りパターンか人数足りないパターンのどっちにするのかを決めてましょう。
発表形式にする場合
5グループ5人ずつ、1人足りないグループを2つ作るほうにします。
「それじゃあ、テーマがひとつ抜けてしまうのでは…?」
と思いますよね。
グループにそのテーマを発表する人がいない時は、別のグループに移動して発表を聞くようにします。
話し合い型式にする場合
5グループ4人ずつ、3人余りのほうにします。
「それじゃあ、責任感がなくもう1人にお任せになりませんか?」
そうなんです。こればっかりは防げないので、誰と誰をペアにするのかは、先生方の判断で決めてあげてください。
2人いても責任感もって学習に取り組んでくれそうな学生を選定してもらってもいいかもしれないです。
おわりに
ジグソーの具体的な方法について説明していきました。
文字ばっかりでわからりにくいやん!って意見もあるかもですね…・
また、図説なども入れた内容の記事も作成していきたいと思っています。
ぼくもけっこう失敗しながら、アクティブラーニング型の授業にチャレンジしていきました。
色んな先生方からの批判もありました。(大学では自由に授業ができないので、アクティブラーニング封印中です(´;ω;`)ウゥゥ)
先生方も、学生にとって本当にいい授業方法を追求していってほしいと思います。
一緒にたくさんのステキな看護師さんを育てていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
協同学習のおすすめ参考書はこちらです。けっこう使えます!