看護学生にとって大事な授業の一つである看護学実習。
それだけに看護学科の先生方も気合を入れて、実習教育に臨みますよね。
ほとんどの先生方が授業より先に実習ですよね。
教員になって初めての教育実践が実習指導でしたって先生方も多いのではないでしょうか。
とくに、教員講習を受講されていない方は、実習指導員という立場での採用になるので、そこからスタートって先生もおられますよね。
初めて学生と深く関わることの難しさ。
「自分だったらこうするのに!」
って思いながら、学生が看護をするのを見守る歯がゆさは、教員になって初めて体験する気持ちじゃないでしょうか。
本記事では、
- 病院実習で用意しておくべきもの
- これがあったらけっこう便利
- 学生が困ったときにフォローできる
について、ぼくが実際に体験して、ぜひ用意しておいたほうがいいと思ったものを5つに絞りました。
看護教員になってすぐに教員養成講習を受講し、看護教育に携わり10年以上(指導者時代を入れたらもうちょっとあります)。
教員になって間もない先生方に、少しでも参考になったらいいなって思います。
実習指導での難しさは、学生さんとの関わりや患者さんとの関わりだけじゃありませんよね。病院さんとも良好な関係を作っていく必要があります。
本記事を活用して、ぜひ実習指導の難しさを乗り越えて、充実した教育につなげていってください。
これらについて、一つずつ説明していきますね!
実習要綱は必携です
これは忘れないとは思いますが、実習要綱は必ず持参してくださいね。
教員になって間もない先生方はこんな思いないですか?
「学校の理念?教育目標?今回の実習の概要?…」
入職してすぐに、「これ読んでおいて!」って先輩の先生方に要綱を渡されて、一応は目を通してみました。
しかし、実習内容や進め方、記録物の書き方、提出物のことなどの方にどうしても目が行きがちに…
「実習で学生はどこまでしていいのかな。」
「記録の指導のために自分が記録物を理解しておかないと!ゴードン、ヘンダーソン、看護診断、関連図!卒業して以来か…」
ぼくは思いました。目の前の学生に指導するためにはここを理解しておかないと!って必死でした。
確かに、記録物や実習の進め方とかって重要ですよね。
ただ、そこには必ず実習の教育目標を先に理解しておく必要があります。
教育目標は、学校の理念から下りてきたもので、そこから学校の教育目的(どんな学生を育成するのか)、教育目標、授業での目標(ここが実習での教育目標になります)、行動目標・・・という感じに構成されています。
やっぱり目標がないとぶれます。
主体的に意欲的に自分でパッパッと行動したりするような学生さんほど、実習目標を意識して見ていってほしいです。
思い込みで看護をしていないのか、実習に行って学生が学ぶべきことは一体なんなのか。
できているように見える学生さんはどこかで、暴走をしてしまいがちです。
それを見逃すことが無いように、しっかりと学生さんが実習目標に沿った学びになっているのかどうか。それをアセスメントしていくためにも、自学の実習要綱は必ず必要になります。
これは意識していただけたらなーって思います。
意外と役に立つ使い方もありますよ。
- 指導者さんが実習指導に困っているときに、パッと見せて一緒に目標を再認識することができる!
- 学生がカンファレンスのテーマに悩んでいるときに、実習目標から考えてみれば?というアドバイスができる!
- 指導者さんが学生に求めすぎた場合などを言ってこられたときに、公式文書なので「要綱にはここまでが目標です。今回の実習ではそこまでは求めていません」といったことを言える!
- カンファレンスのときに、要綱を用いて指導的なコメントをすることで、根拠ある指導ができる!
などなど。
先生方でも自分の使いやすい方法で、実習要綱を活用してください。意外と活躍してくれます!
トートバッグ
これもすでに先生方は活用されていると思いますので、あえて挙げる必要がないのかなって思いましたが。
それぞれの学校さんで作成をしているバッグ(オープンキャンパス等でのあまりとか)があると思いますので、それを活用するのが一番ではあります。いい宣伝にもなりますしね。
学校さんによっては、作ってないというところもあると思います。
また、予算の都合上でちょっと穴の開きやすい材質を使っていることも…
前に勤めてた学校のバッグはすぐに穴が開きました。持つところもびょんびょんに伸びてしまって…。
このような場合は、自己で用意する必要がありますよね。
教員の先生方は、まじめな方が多くトートバックにたくさんの物を入れている方もおられるはず。
必要な文房具だけじゃなく、教科書や参考書、フィジカルに使う物品とか。
たくさん入れるとやっぱり重みも出てくるので、耐久性の悪いバッグだとすぐにダメになります。ちょっといいやつを用意しておきましょう。(500円~2000円程度)
病棟を掛け持ちするときなんかは、とっても便利です。
バッグを持ったまま移動することで、置き場にも困りません。
とくに病棟では学生さんの荷物置くところも限られてきますので、できるだけ学生さんが使用できるスペースは確保したいですね。
バッグのデザインは好きなもを選んでいいと思いますが、あまり目立たないもののほうがいいです。
大分の地獄めぐりのお土産で買った「毎日が地獄です」と書かれたバッグで実習に行ったら病棟の看護師長さんに呼び出しされました。
ノートはA4サイズにしてください
ノートを使用して、実習計画を立てたり、カンファレンスの記録をしたりする先生は多いと思います。
では、サイズはいったいどれを使用してますでしょうか。
B5が多いでしょうか。A5だったらちょっと小さいですし。
A4サイズのノートを使ってください。
ノートには学生の様子や学習の進み具合、指導者と調整した内容、患者さんへの看護、カンファレンスでの記録を記述していきますよね。
B5サイズですと、それらの記述だけでいっぱいになってしまいます。
それでもいいのですが、やっぱりノートを活用するのであれば、その時に感じた思いや感情、思いついた発想なども残してほしいと思います。
ノートは、先生方のポートフォリオになっていきます。
しっかりと残して、自己のリフレクションに活用ほしいと思います。
A4ノートでは余白ができます。その余白が先生方の、考えや想いを育んでいきます。
学生がカンファレンスで話した内容にラインを引いて、余白に色々と浮かんだことを記述してください。誰にも見せないノートですので。
ただ、患者さんの個人情報を記載していたらその部分は破棄してくださいね。
透明のクリアファイルを数個
自分で使用することはあんまりないのですが。
学生は、行動計画用紙や実習レポート、中間評価表、関連図などなどを教員や指導者さんに提出することがあります。
他には、毎朝の実習出席表や健康チェック表なども提出したりしますよね。
その時に、クリアファイルを用意していないことがあります。
グループ分提出になるので、バラバラで出してしまうということにならないようにしないといけません。
そこを見越して用意している学生さんは褒めてあげてください(笑)
他にも病院側で用意してくれた資料の整理や患者さんからいただいた手紙とか。
学生さんにとってポートフォリオとなる大事に取っておいてほしいものを保存できるように用意しておいてあげてもいいと思います。
予備の実習着とシューズ
実習に来る学生さんは、夜は遅くて朝は早い。
もちろん忘れ物をする学生さんもチラホラ見られます。
「ボールペン忘れました。」
「振り返りの記録を忘れました。」
「お弁当忘れました。」
この程度の忘れ物なら実習をするにあたっては、なんとかなりますよね。
「実習着忘れました」
病棟いけませんけどー!
今から取りに帰るにしても、「片道2時間かかります」
といういことが起きることがあります…
指導方針によっては、「取りに帰ってきなさい」となる場合もあります。
ただ、そう指導したときの
教育の効果は如何に…
とぼくは思います。
教育効果としては「忘れ物をするとこんなに色んな人に迷惑をかけてしまうことになるんだよ」「準備って本当に必要なんだよ」ってところでしょうか。
でも、「それは学内の教育でもできるでしょう」って思います。
実習でしか学べないことはそれでしょうか?
患者さんとの関わり、看護師さんとの関わり、看護を自分で導きだして実践させてもらうこと。こういった経験を積み学びに変えていくことではないかと思います。
大事な実習の時間です。
確かに実習着やナースシューズを忘れるって「どんな気持ちで実習来てるんですか!」って言いたくなる気持ちもわかります。
しかし、学生さんにとって何を優先にするのかを考えると、やっぱり病棟に行くことが優先されるのではないかと思います。
忘れた学生さんの心情を考えると、辛い思いや情けない思いがあるでしょう。
そこで、予備の実習着を貸してあげる。
学生さんも困ったときに手を差し伸べてもらえたという経験ができます。
そういった経験が看護の心につながっていくのではないかとぼくは思います。
お名前シール(アイロン不要)も忘れずに用意しておいてくださいね。
おわりに
いかがでしたでしょうか。今回紹介したもの以外にも、電子手帳やバインダー、カレンダー付の手帳、マジックなどあったら便利だなってものを挙げればたくさんあります。
「とりあえず実習指導の準備はできたけど、ほかにもいるのもはないのか心配です」
という方は、ぜひ参考にしてほしいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
看護教員の先生方が、よりよい実習教育ができるようこれからもサポートしていきたいと思います。
がんばってステキな看護師さんを育てていきましょう!