看護師国家試験対策

味覚 舌について

新型コロナウイルス感染症による症状に、嗅覚・味覚異常があります。
新型コロナウイルス感染症の患者さんに実際に聞いても、やっぱり味が全然わかりませんという方が結構おられました。

味がわからないって、けっこう辛いですよね。
人間の楽しみの一つでもあると思います。

そこで、今回は、味覚器としての舌について、解説していこうと思います。

舌の構造と機能

舌を覆う粘膜には、舌乳頭(味覚乳頭)とよばれる無数の小突起があり、その形により、夕郭乳頭、葉状乳頭、茸状乳頭、糸状乳頭に分類されます。
この舌乳頭の上皮内に味覚の受容器である味蕾がたくさんあり、この中に味細胞があります。
味は、この味細胞から味覚神経を経て脳に伝えられます。味覚には、甘味、苦味、塩味、酸味、の基本的な味の4種類があり、それぞれ味覚領域が違います。
味覚は消化管の先端で受け止める生存のための食物の安全性を判別する感覚であり、乳幼児の「なめまわし」に始まる味覚の体験の繰り返しによって「安心」「親しみ」などの記憶されます。
舌は味覚器としてだけではなく、咀嚼、嚥下作用や発声にも重要な働きをしています。

味を感じる

味覚の受容器として特殊化したものが味蕾といわれています。
味蕾の数は、成人で9000~10000個あるといわれていますが、胎生期をピークに、小児では舌全体ばかりでなく、咽頭壁や口唇にまで広く分布しています。
加齢に伴い減少し、高齢者では壮年期の半分以下になります。
味をより正確に感知するには、鼻・眼の働きも加わります。

味を感知する

:粘膜の触覚や温度覚で、固さ、形、新鮮さなどを確かめます。
口唇:触覚による柔らかさや温度を確かめます。
:においによって、過去の記憶と結び付けて、食物のおいしさや好みを予測します。
:色、形、新鮮さ、味付けの予測などを見分けます。

味覚の変調

加齢:味覚の受容器である味蕾は、乳幼児で多く、40歳以降は急激に減少し、感受性が低下します。
温度:冷たいと、一般に甘さが増すと言われています。
体調:胃腸の機能が悪いと、苦味が増します・
汚れ舌苔が生じると、味蕾に味の化学物質が届かないため、味が変調します。
精神状態:精神状態により嗅覚が障害されていると、味覚が低下します。
その他の味覚異常
味覚障害:正常であった味覚に異常をきたすもので、味覚減退、異味症、解離性味覚障害、味蕾消失などがあります。原因としては、味蕾の破壊、放射線による炎症、高熱による味孔の閉鎖など挙げられます。また、亜鉛ビタミン欠乏による味蕾細胞の未再生中耳炎顔面神経麻痺による味覚神経障害が考えられます。さらに新型コロナウイルス感染により、味蕾や神経に障害を受けたことによる味覚障害もあります。

まとめ

舌について、簡単にですが説明していきました。もっと詳しく内容を掘り下げることで、舌のすごさや味わえることの大切さを知ることができると思います。今回の記事が深めるきっかけになったらいいなと思います。
味蕾はどんどん減っていきます。それに伴って食べる楽しみというのが、失われてしまうことも考えられます。看護として、そこをどう支援していくのか。そういったところに着目することでQOLの向上につなげることができるかもしれないですね。

補足ですが、コロナの際に味覚障害がでてくるのは、味蕾に感染するからではないかと言われています。
うがいを頻回にすることで、ウイルスも洗い流せると思います。
感染対策の基本である手洗い・うがいをしっかりとしていきましょう。

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