超初級と題しまして、国家試験対策について解説していきます。
今回のテーマは酸塩基平衡です。
酸塩基平衡は考え方さえわかれば解ける問題ばかりです。苦手意識を克服して得点アップを目指しましょう。
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基本知識
アシドーシスとアルカローシス
単純にわかりやすく考えましょう。
酸とは二酸化炭素と水素イオン(H)です。
塩基(アルカリ)とは重炭酸イオンです。
アシドーシスとは
体液が酸傾向になっている体の原因や変化・状態のことをいいます。
アルカローシス
体液がアルカリ傾向になっている体の原因や変化・状態のことをいいます。
練習①
問1
換気不全となり二酸化炭素を吐き出すことができなくなった人。
①アシドーシス ②アルカローシス
正解は①ですね。
体に酸(二酸化炭素)が溜まっている状態です。
問2
過換気症候群を起こしてしまい、換気が亢進している人。
①アシドーシス ②アルカローシス
正解は②ですね。
換気が亢進することで、呼気からの二酸化炭素(酸)が過剰に出ている体の状態です。
酸なもの、アルカリなもの
酸なもの
二酸化炭素、水素イオン、胃液(胃酸)
ケトン体
脂肪の分解により肝臓で作られ、血液中に放出されるアセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸のことをまとめてケトン体といいます。(溜まるとケトアシドーシスと呼ばれる状態になります)
乳酸
筋肉でエネルギーを作るときに、糖質が解糖系(嫌気的代謝)で代謝・分解されてできるものを乳酸といいます。(溜まると乳酸アシドーシスと呼ばれる状態になります)
などが酸なものに分類されます。
アルカリなもの
重炭酸イオン(腎臓が作る)、膵液、腸液
などがアルカリなものに分類されます。
練習②
問3
下痢が超頻回な人は?
①アシドーシス ②アルカローシス
正解は①ですね。
下痢で腸液(アルカリ)が出ていくため、体が酸性に傾きます。
問4
嘔吐が超頻回な人は?
①アシドーシス ②アルカローシス
正解は②ですね。
嘔吐で胃内容物(胃酸)を吐き出しまくるから体がアルカリに傾きます。
pHの調整
血液のpHは、肺と腎臓で調整されています。
体内に酸なものやアルカリなものがたまれば
肺(呼吸)と腎臓ががんばります。
練習③
問5
体に乳酸がたまっている人。正しいものは?
①換気が増える。 ②換気が減る。
正解は①ですね。
体はアシドーシスとなっており、下がったpHを正常にするために血液中の二酸化炭素を減らそうと肺ががんばります。換気を増やして体内の酸を出して調整をします。
呼吸性と代謝性
これも単純に考えていきましょう。
呼吸状態での変化を呼吸性といいます。
その他での変化を代謝性といいます。
呼吸性
呼吸性アシドーシス
呼吸不全など(二酸化炭素排出できずに酸が体に溜まる)
COPDによる換気量の低下(肺が固い、気道が狭いなどで、二酸化炭素が排出できずに酸が体に溜まる)
呼吸性アルカローシス
過換気症候群(換気量増加による二酸化炭素の排出が増加されて酸が体から出ていく)
代謝性
代謝性アシドーシス
乳酸がたまる、糖尿でケトン体がたまる(酸が過剰に産生されて体に溜まっている)
下痢で腸液がでていく(アルカリが過剰に体から出ていく)
腎機能低下による重炭酸イオンの産出低下(アルカリの産生が減少し酸に体が傾く)
代謝性アルカローシス
大量の嘔吐(胃酸が過剰に排出されて体がアルカリ性に傾く)
低カリウム血症(kが欠乏すると電気的中和のため、H(水素イオン)が細胞内に移動する。また、遠位尿細管でもkの代わりにHが排泄される。Hの減少が減少することで体がアルカリ性に傾く)
練習④
問6
過換気の人は?
①代謝性アルカローシス ②呼吸性アルカローシス ③呼吸性アシドーシス
正解は②ですね。
呼吸状態の変化により換気が増加し、二酸化炭素(酸)の排出が増えたため、体がアルカリ性に傾いている状態です。呼吸状態での変化ですので呼吸性になります。
問7
腎不全で無尿の人は?
①代謝性アルカローシス ②呼吸性アルカローシス ③代謝性アシドーシス
正解は③ですね。
呼吸は関係なくて、腎不全のため重炭酸イオンが作られていない状態です。そのため、体内の酸が中和されなくなり、体に酸が溜まってしまいアシドーシスとなっています。
まとめ
今回は、超初級としまして酸塩基平衡について解説していきました。
少しでも酸塩基平衡への苦手意識は軽減されましたでしょうか…。
覚えないといけないところもありますが、考え方さえ理解できれば応用にもつながると思いますので、スモールステップで学習していってくださいね。
最後に、酸が0?14?、アルカリが0?14?と数字に迷ったときは・・・
数字がアルからアルカリ性!
最後までお読みいただきありがとうございました。