前回の陰部洗浄の続きです。
前半部分は、陰部洗浄①をクリックしてもらうと移動できます。
陰部洗浄①の項目
実施方法
必ず患者さんの状態やバイタルサイン、セルフケア能力をしっかりとアセスメントしてから実施方法を検討していきましょう。
①患者さんの準備
寝衣をまくり、下着をおろす。
患者さんの膝を立てて、看護者が患者さんの頭側上肢で腰部を支えて、臀部を挙上、もう片方の手で下着を膝まで下げます。
寝衣が臀部より下にならないようにします。
臀部より下になると汚染される可能性があるためです。
また寝衣が丸まることになると不快感が出てきます。
下肢を保護する。
綿毛布、バスタオルを使用します。
奥側の下肢を綿毛布で包んで保護し、手前の下肢をバスタオルで包んで保護します。
保温とプライバシーの保護のため実施します。
両下肢を別々に覆うことで、開脚がしやすく、作業空間と視野が得られます。
下腹部にタオルを当てる。
陰部用タオルを横長に折りたたみ、恥骨部から鼠経部にあてます。
腹部、背部への湯の流入や飛散を防ぐことができます。
また、すぐに水分が拭き取れるようにするためです。
②洗浄の実施
お湯をかける。
汚染が強い場合はや便が出ている場合は必ず、先にガーゼやペーパーなどを利用し、拭き取ってから実施するようにしましょう。
看護者の前腕の内側で湯の温度を確かめます。
患者さんの大腿部内側にもお湯をかけて、温度を確認します。
陰部にお湯をかけます。
外陰部全体にお湯をかけます。
ボトルが陰部に当たらないようにしましょう。
ボトルが不潔になることで、汚染広げることにつながります。
洗浄をする。
洗浄剤を泡立てます。
泡を使用して汚れを浮かしてとるようにします。
泡のソープを利用するか、ビニール袋にお湯と石鹸を入れて振り回すとすぐに泡ができます。
利き手でガーゼをもち、洗浄していきましょう。
女性の場合は、肛門部に付着している大腸菌などからの尿路感染を避けるため、尿道口から陰部に向かって洗浄します。
使用した面を一回一回変えていくようにしましょう。
検温時に観察ができない部位は、清潔の援助時を活用してしっかりと観察をするようにしましょう。
陰部や臀部の皮膚の発赤、腫脹、出血、膿の有無などを観察しましょう。
異常の早期発見につなげます。
患者さんの身体に触れるとき、物品を持つときに汚染したグローブのままでしないように気をつけましょう。
汚染したグローブを使用することで、菌を付着させてしまいます。
二重、三重にしてもいいかとは思います。
その時は、手の巧緻性が落ちることも考慮して実施を考えていきましょうね。
汚染を広げないように気をつけましょう。
お湯掛けながら石鹸成分を流す。
流す勢いを考えてみましょう。
肛門部はやや強め、陰部は優しめで、ウォシュレットを意識してみましょう。
恥骨上のタオルを使用し、陰部の水分をとる。
陰部や大腿部内側の水分をタオルで拭き取りましょう。
水分が残ると気化熱を奪うことによって寒気を感じさせてしまいます。
次に側臥位にし、便器を取り外し、臀部をタオルで水分を拭き取とっていきます。
③患者さんを整える
仰臥位に戻し、下着をはき替える。
オムツを着用の患者さんには新しいオムツにはき替えます。
患者さんを安楽な体位にして、寝衣を整えましょう。
修了したことを伝える
この時に患者さんの状態の観察をします。
疲労感、爽快感、陰部の不快感や疼痛などの有無、バイタルサインなども見ておくといいでしょう。
実施後
病床環境を整えましょう。
綿毛布を布団に戻します。
綿毛布が濡れてしまった場合は、濡れた部分が付かないように注意しましょう。
病床が濡れてしまっていないか、寝衣が濡れてしまっていないかの確認をします。
カーテンを開け、ベッドの高さを戻しましょう。
まとめ
以上が陰部洗浄の実施方法になります。
陰部洗浄の技術を向上させることは、看護師としての質向上に必ずつながります。
羞恥心やプライバシーへの配慮が必要な援助だからこそ、十分に技術を高めてルーチンワークではなく、その患者さんにあった援助を実践していってほしいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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