看護学生になると色々な看護技術を学習しますよね。
その中でも、清潔の演習は、時間がなくなったり、コマ数が少なかったりと十分に学習する機会がなかったという学生さんや看護師さんもおられたのでなはいでしょうか。
部分浴の効果は患者体験としてやってもらってこそ、その効果を実感することができます。
ですので、一度は患者役として体験をしてほしいなーって思います。
今回の記事では、患者体験はできませんが、手浴の効果や方法について解説していきます。
ぜひ学生さん同士、看護師さん同士で実施してみたり、もちろん患者さんにも実践していってほしいと思います。
手浴の効果
足浴は、看護学生さんや看護師さんがされているのをよく見ますよね。
ぼくも学生時代や病棟で勤務しているときなど、足浴は実施していました。
患者さんも喜んでくれるし、清潔やリラックス効果も期待できるので、やりがいもありますよね。
そう思うと手浴ってあんまり見かけない気もしたり・・・気のせい…?
手浴の効果には以下のようになっています。
- 手指を清潔にすることで、爽快感を得るとともに感染予防となる。
- 食事の前後や排泄後に手浴をすることで、日常生活のリズムを整える。
- 温熱刺激による手指の運動機能の改善、血流改善によるリラックス効果。
などが期待できますね。
ほかに、手浴のいいところなんですが
患者さんと援助者の手と手のふれあいができる
というところなんです!
手浴の際に軽くさするみたいにして、患者さんの手を洗ったりマッサージやリハビリをして触れてみてください。
触れるケアで、リラックス効果が得られた部位は肩と手背であったという報告もされています。
ほかにも、触れるケアで睡眠の質の改善、不安やストレスの軽減につながったなどの報告もされています。
患者さんに自分で手をお湯につけてもらったり、洗ったり、リハビリしたりすることも大切ではあります。
でも、やっぱり患者さんによりよい看護を提供するうえでは、さりげなく手の触れ合いができる看護も大事だと思います。
手浴の方法
実施環境と使用物品
患者さんの状態や実施場所、実施環境、実施方法によっても使用物品は変わってきます。
実施場所は、ベッド上、ベッド上端座位、車いす、洗面所、浴室、デイルームなどが挙げられます。
病室内や浴室で実施する場合は、室内温度はやや高め(24±2℃)ですきま風を防ぎましょう。
病室の外で実施する場合は、他者の目、さわがしいなどの騒音、他の患者さんのジャマにならないか等を考慮しましょう。
使用物品は、ベースン、ガーゼやウォッシュクロス、お湯、せっけん、流し湯、拭くタオル等が必要かなって思います。
しっかり援助しているところを想像して、準備を考えてみたら抜けがないと思いますよ!
基本的には、温度は40±2℃の範囲で調整します。
目的別に温度を調整してください。
眠気をさましたりするには41℃程度
リラックス効果を期待するなら40~38℃程度がいいとされています。
一般的に皮膚は43℃から損傷が始まってくると言われています。
43℃で長時間つけておくと低温やけどになってしまいます。
実施手順
患者さんの状態をしっかりと把握してから実施をします。
- バイタルサインは安定していますか
- 不快な症状は出ていませんか
- 目的に応じた方法ですか
- 皮膚の損傷などないですか
- 疲労感などないですか
- タイミングは適切ですか
- 時間は十分にとれますか
などを確認しておきましょう。
今回は、ベッド上端座位で実施します。
- 声をかけて実施することを説明します。
- 気分不良はないか、排泄の確認などをします。
- 物品の準備をします。(あらかじめお湯以外は用意しておいてもいかも)
- 準備が整ったら、患者さんの部屋に
- ベッド上端座位になってもらいます。安定するように、足底を床か踏み台などで調整しましょう。
- オーバーテーブルを患者さんの前に移動させます。
- お湯の入ったベースンをテーブルに置きます。
- お湯の温度を確認します。自分の前腕、患者さんの手にかけて確認します。
- 患者さんに手をつけてもらいます。ベースンのふちに当たっていないか確認をしましょう。
- 一定時間お湯につけてもらったら、せっけんで洗っていきましょう。
- できるところは患者さんにしてもらいます。
- 手のマッサージをしましょう。
- 片手づつ掛け湯をして、お湯から上げます。
- タオルでくるみ、拭いていきましょう。
- 患者さんの体勢を調整し、片づけをしましょう。
気をつけること
お湯につける
足浴の場合ですが、40℃のお湯で10分間お湯につけることで、副交感神経が有意となりリラックス効果があったという報告があります。
15分以上になると交感神経系が活性されると報告もあります。
湯につけることで血液循環の促進、角質化した皮膚がやわらかくなり汚れ落としやすくなりますが、時間の経過とともに湯が冷めるのでお湯の温度もしっかり確認しながら実施しましょう。
部分浴でも抹消血管の拡張により循環血液量が増すと言われています。
そのため、心臓に負荷がかかることも考慮しておきましょう。
知覚鈍麻や麻痺がある場合も要注意です。
お湯が熱すぎたときでも知覚に異常があると、熱さを感じられずに気がついたら熱傷!となる可能性も考えられます。気をつけましょう。
水分はしっかり拭き取る
かけ湯の量は多めに確保しておきます。
石けんのすすぎ残しは肌荒れの原因にもなります。
お湯から手を出した時はすぐにタオルに包むなどで、水分を拭き取るようにしましょう。
水分が残っていると水分が蒸発する際に気化熱を奪ってしまい寒気を感じさせてしまいます。
まとめ
手浴は、お手軽にできる援助であるとともに、患者さんに心地よい時間を提供できますし、手と手の触れ合いから信頼関係にもつながってくると思います。
ぜひ、いつも援助にプラスで取り入れていってください。
アロマオイルの使用などもいいですね!
さぁ!お隣のお友達、先輩、後輩、医師、PTさん・・・に手と手の触れ合い手浴を実施してくださいね!