2020年、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため 看護教育業界にも多大な影響を及ぼしました。
看護大学や専門学校でも、授業が休講となったり遠隔授業に変更を余儀なくされたり。看護の授業(特に基礎技術)は、遠隔だけで学べるものは多くはありません。技術を練習し、コミュニケーションをとってこそ学びにつなげられる授業がほとんどです。
その中でも、看護学生に影響を与えた一番は「臨地実習の中止」ではないでしょうか。
病院での実践的な学びを得ることもできずに、病院実習の期間を終えた看護学生さんもおられると思います。病院での実習ができないため、代替え実習で学内での実習を計画・実施したりと、看護学校の先生方の苦労もハンパなかったでしょう。
実際、僕もそうでした。
病院で実習に行けない看護学生さんに対して、学内でも実習ができるように上司の先生方と相談しながら、学内実習を計画しました。
学内の実習室を病棟に大改造して、患者役、家族役を設定し、カルテも一から患者設定を考えて作成しました。教員が病棟看護師役となって指導をするのですが、教員目線じゃなくて実習指導看護師目線での指導・教育をします。看護教員の目線としては、看護理論の活用や患者さんとの関わりの意味づけといった知識の整理を中心に指導をしていきます。実習指導看護師の目線としては、患者さんが安全で安楽に過ごしてもらうことを前提として、看護援助の内容について考えるように看護学生さんに促したり、患者さんのもとに一緒にいき援助を実施したりします。
今までの実習経験を活かして、優しい指導者さん・厳しい指導者さんを自分に憑依させて演じました。少しは病棟の雰囲気出せたのかなと思います。
ただ、病院じゃなく学内だからってコロナが安心なわけでもありません。常にディスタンスを保たれるようにしたり、患者さんへの援助の時は必要なことだけしか話さないように徹底したり…
そういう感染のことも考えつつ、今回の学内実習をやってみて特にがんばった所は、どれだけ臨床に近づける事が出来るのか!というところでした。
看護学生さんもそれに応えてくれて、一生懸命学内での実習に臨んでくれました。患者役をすることで、普段の実習では感じることの出来ない患者さんの気持ち、家族の気持ち、リハの先生の気持ち…等。こういった経験が必ず看護師になっても活きてくると僕は信じています。
コロナ禍に看護学生時代を過ごした方々が不遇な世代と言われないよう、ますます看護基礎教育に携わる者としてがんばっていきたいなと思いました。
noteの内容を一部変更して記載